読心術とタロット
今回は一気にメンタリズムに寄せて…
読心術についてのお話。
読心術
読心術と言っても、特に仕掛けがある道具を使うということではなく、コールドリーディングと呼ばれるテクニックについて言及します。
コールド・リーディング
まずコールドリーディングには2つの意味があると私は考えています。
たまに主張が噛み合わないことがあるのですが、それは恐らくこの2つの存在をあまり理解せずにコールドリーディングについて討論しようとしているからではないかと。
1.話術としてのコールドリーディング
2.空気を読むという意味でのコールドリーディング
コールドリーディングという言葉から考えると後者のほうが近いイメージがありますが、「コールドリーディングの技術」みたいな言い方をする時は、だいたい前者になります。
まぁ、コールド(何も情報のない状態)からのリーディングなのでどちらも正解と言えるんですけどね…
コールドリーディング(以下基本的に話術を指す)を使う上で有名なテクニックは「バーナム効果」だと思われます。
誰にでも当てはまりそうな事を言って、相手から「イエス」という反応を得るという方法ですが、これも一般的になりすぎてあまり通用しないのでは?と思う技術の1つです。
詳しく知りたい方は『コールドリーディング』(著:イアン・ローランド)を読むことをオススメします。
この本を読むと分かりますが、実はコールドリーディングの技術ではバーナム効果はあまり使われなかったりするので、「バーナム効果」を連呼されたとしても痛くも痒くもないというのが本音だったりします(笑)
痛くもない腹を探られるのはあまりよくない表現ですが、ことマジックやメンタリズム(占星術含む)に関しては、逆にそのような状況のほうが都合が良いケースが多いですね(^ρ^)
また、この本ではタロットを使うタイプのリーディングについてかなりの紙面を割いて紹介しています。
私もこの『コールドリーディング』ともう1つのレクチャーの影響を受けてタロットを始めた1人です(もう1つは『ジャーメイズ・マインド第1巻』)
タロットについて
現在もっとも使われている、”ウェイト版タロット”は案外歴史が浅いということはあまり知られていないようです。
トランプとタロットではトランプの方が圧倒的に古く、トランプがタロットの派生であると言うのは考え難いのですが、どうもトランプがタロットから出来たという話をする人が少なくありません。
(別の説によると、タロットとトランプンは元になるカード遊戯があり、それが後にタロットとトランプに枝分かれしたというのもありますが、この節でもトランプのほうが歴史的には古いという主張があります)
ウェイト版タロットについてはググれば来歴がわかると思うので省略しますが、凄くザックリ言ってしまうと、黄金の夜明け団というイギリスの魔術結社の人が儀式用に使うカードの構図を考え、別の人が絵に起こしたモノで、設計からして占いに向いた作りをしているという特徴があります。
ちなみに、ウェイト版の前身と言われる黄金の夜明け団独自のタロットという物もあって『The Hermetic Tarot』という名前でアマゾンで普通に買えます。
絵が白黒でウェイト版とは違いかなり怪しく激しめの絵になっています。
タロットの歴史について書かれた本ではこのタロットについては触れられていないので、初期タロットというのは後付け設定の可能性もあります(^ρ^)
ウェイト版の前身と言うだけあってほぼ同じように使えるのですが、若干カードの意味が違っていたり儀式的な記号や象徴があちこちに散りばめられているので、タロット初心者は手を出さない方が良いとか言われたり言われなかったり…(注:私は占い師ではないので、見た目だけで選んでいます)
個人的に一番オススメしているのはSmith-Waite Tarot in a Tinと言うやや小降りのタロットです。
タロットのミニサイズよりは大きく、プレイングカード(トランプ)に近い大きさなのでマジックをしていた人には扱いやすい大きさのはずです。
色合いもライダータロット(奇しくもタロットにもライダーの名を冠するものがあるが、こちらは社名由来)よりもビビット感が無いところが気に入っているポイントです。
ライダータロットはなんというか原色、黄色が強すぎるのとバックのデザインがイマイチ好きではないのです。
しかしこのスミスウェイトタロットはフェイスの色は落ち着いていますし、バックのデザインもそこそこ行ける(と私は感じてる)のと、缶のケースというのが良いところです。
実際のリーディングのやり方についてはタロットに付属している説明書(ケルト十字という並べ方が紹介されていた)や一般的に売られている書籍、タロットの意味がまとめられているウェブサイトがあるのでそちらを参照するだけで十分です。
私は数冊タロット関係の解説や歴史についての本を読みましたが、それぞれ意味の解釈に揺れが結構ありますし、悪い言い方をすると占い方そのものが雑で、ある程度意味は拾うモノのかっちりと占うことはしないという結論に達しました。
それに、私は占い師ではありません。占い師ではないからこそ自由なリーディングが出来ます。厳密にタロットの意味から拾うのではなく、相手のリアクションや途中で聞いた話や印象から推測して相手の欲しい言葉を選んで与えることが出来るわけです(たまにカードの絵の印象から発言することもある)
こんなのでも今まで結構な人数を相手にタロット・リーディングをしてきましたが、ヒット率はかなり良い方で「よく当たっている」という評判を頂いています。(タロットリーディングだけで稼げるんじゃないか?と考えたくらいですw)
ついでなので、タロットをあまりしない人にありがちな勘違いを紹介します。
正位置と逆位置
タロットでよく聞く単語ですよね?
実はこれ後から出来たらしいんですよ?(ソース不明なので嘘かも…?)
元々設計されていたときには正位置と逆位置は特に気にせずに使っており、単にそのカードの意味から結果を導き出していたそうです。
ソース不明とは書いていますが、これは結構真に迫っていると私は思っています。
何故なら、これもまたよくある勘違いに繋がるのですが、逆位置は意味が逆にならないケースがあるからです。
より正確には逆位置が出た場合、意味が逆になる場合と正位置の意味を強めすぎた場合の二通りの解釈が出来ます。特に後者に関してはある意味正位置の意味のままなので逆位置である意味がないので、本来は正逆が関係ないという説の補強になっていると考えることが出来ます。
正位置を強めた意味というのは、例えば「豊かな感情表現や直感力」を表すカードがあるのですが、これが逆位置に成った場合「感情表現が乏しく、直感よりも理屈を優先するタイプ」と捉えることも、「感情表現が激しくナーバスで疑り深いタイプ」と解釈することもできるということです。
タロット1枚で全く正反対の意味が出てくるのです!
上手くぼかして言えば中間くらいの意味にも使えますし、だからこそタロットは誰にでも当てはまる、ヒット率が比較的高い占い方法と言われることもあります。
これはコールドリーディングのテクニックの1つである「虹色の戦略」とまったく同質のものです。
タロットは1枚1枚誰にでも当てはまる部分を含んだ意味の解釈があります。それに加えて逆位置という正反対の意味を2つも取れる状態が存在します。
万が一外れたとしても、術者の能力ではなくカードの出が悪かったと言い逃れが出来るのもタロットの良いところでもあります。
テンプレート
最後に定型文についての話。
コールドリーディングをするにあたり幾つかの定型文を暗記しておくことを勧めている人がいますが、それには相応のリスクがあるという話です。
これはルーク・ジャーメイが『ジャーメイズ・マインド』で語っていましたし、タロットでもなるべくその場でのインスピレーションを大事にするように言われています。
理由は簡単で、これもまた一般人が智慧を付けてきたので定型文を使っているとバレるケースがあるそうで、そうなった場合それはただの滑稽なコントになるし、リスクなんだ、みたいなことをルーク・ジャーメイ言ってました。
更にもう1つ問題があって、タロットにもある問題なのですが、毎回リーディング結果が変わってしまうというのがあります。タロットはランダムにカードが出ますし、コールドリーディングだけでやった場合その場のノリでやることも多く、同じ人相手でも2回目では全く別の結果になる場合もあります。
ただ…そのリスクは間に一定の期間があれば全く問題になりません。
「ここ最近で何か心境や環境の変化があったのかもしれません…前回とはカードの結果にかなりの違いがあります。」とでも言っておけば良いからです。
ただ、短期間で劇的な変化が無い人はいますし、恐らくそちらが多数派だと思います。
その場合、何も起きてないのにカードの結果に変化があるのは矛盾が生まれるのであまり良くないことになります。
そういう場合の対処法として『ジャーメイズ・マインド第1巻』ではダイナミックメンタリズムという本の方法が紹介されていました。
この場でやり方すべてを解説するのもあれなので触りだけ言うと…
相手のイニシャルなどに関連付けたワードを使うという方法です。例えばイニシャルが、T.M.だったらTはTravel(旅)、MはMoney(金)と言うことになります。
そうすれば、T.M.さんには旅とお金についてのリーディングをしていたことが分かるので、リピーターとして来たら、まずその2つについて変化が無かった聞けば良いということです。
それを更にタロットに当てはめておけば、毎回ほぼ一定の鑑定結果となり、矛盾を避けることが出来ます。人の性格はそう簡単には変わらないので、毎回ほとんど同じことを言っても前回が当たっていれば次もまた当るのです。
当たらなかった場合は単にリピーターにならないだけなので、その人達は切り捨てるという選択がとれます。
結論:
タロットを媒介にコールドリーディングをするメリットは2つある。
・タロットは設計思想的に元々当たりやすい。
・リーディングを外した場合、能力ではなくタロットのせいに出来る。
リーディングで注意すべきは2回以上リーディングした時に起きる矛盾で、何かしらの対策をとっておく必要がある。
この辺を見ておくと分かりやすいかと思います
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