パスト・ミッドナイト3 ー サイコロジカル・カード・マジック
久しぶりにレビューという名の感想文を書きます。ジャンです。
既にタイトルに出ていますが…今回レビューするのは…ベンジャミン・アールのパスト・ミッドナイト第3巻です。
目次
パスト・ミッドナイト3
ベンジャミン・アールによる、パスト・ミッドナイトの第3巻。
パスト・ミッドナイトの1,2では、超絶技巧とか言われ、スライハンド好きに支持されたシリーズですが、この3では打って変わって内容がどメンタルです。
それはもう…スライハンド好きや、スライハンド至上主義がドン引きするんじゃないかな?ってレベルでどメンタル。
副題に「サイコロジカル・カード・マジック」とありますが、ここまでサイコロジカルな方法でカード・マジックをしようとしたレクチャーDVDは今の所マックス・メイビンのKayfabeくらいしか知りませんね…(すいません…あんまりDVD見てないんで…実はよく知らないだけです…この辺は月ノ風氏が詳しいのでそのうち補足してくれるかもしれません)
解説では「観客の視線から特定する」とか「直感で分かる」なんてことを普通に言い出します。
そういう系に余り慣れていない人は「は????」ってなるものが幾つかあります。
なんでもありなザ・メンタル
全体的な印象としては、「何でもあり」という、ザ・メンタル系です。
スタック・デックやマークト・デック、メモライズド・デック、フォールス・シャッフル、ピーク、フォース、パーム等のシンプルな原理をベースに、サイコロジカルな手法を併せた演出についての話が多かったです。
私自身は1〜2よりも、こちらのほうが好みなのですが、評価がかなり割れそうです。
「直感を信じる」ってワードもよく見かけますしね…
なんというか…対マジシャンや対マニア向けのルーティン構成になっているものが多かったです。
マジシャンを引っ掛けようとすると手順が長くなりがちですが、正にそんな状況になっています。
非マジシャンを相手にする場合は、途中をざっくり切っても良いんじゃないかな?ってのもありますし、ベンジャミン・アール自身も「演出は好きなように」って言っているので、面倒くさい観客相手だけのパターンを解説していただけとも言えます。
ルーティン別感想
ラムジョロック
シャッフルの原理を利用した現象で、クレバーな感じがします。
とりあえず知人相手にやってみましたが、初見殺しと言ったところで、不可能性が高く見えるそうです。
解説を見ている途中で、某原理を使えば全ての制限を取っ払えると思っていたら、後半の方でその方法を解説していました…
メンタル系のカードマジックが好きな人であれば恐らく出来る技術ですが、かなりの慣れが必要な気がします。
スードゥ・ブレインウェーブ
演出についての話しか無くね?と思ったルーティン。
ある状況を達成された状態から演出の一つとしての見せ方についての解説でした。
手順に冗長な感じがあるので、マジック好きな人かマジシャン向けという印象です。
マルティプル・アウトというほどではありませんが、エンディングが幾つかあって、ベストパターンの方が手順が長かったりします。
相手の手の中で起きるという現象は強いのですが、某フォースが必須なので出来る人は結構限られるんじゃないかなと思います。
メンタル・ボヤージュ
予想通りの方法だったと言えます。これも演出についての話がメインでした。
恐らくですが、とある方法を混ぜると更に不可能性が高くなる感じがしました。
非常にやってみたい。
ソート・オブ・カード・イン・ポケット
解説でまさか、「大事なのは…演者の心の強さ」とか「直感を信じる」とと言う単語が出てくるとは思いませんでした(^ρ^)
直感を信じる…とか割りとオカルト的な方法がベースになっていますが、アウトは超現実的なスライハンドなので、ルーティンとして成立させるのはそう難しくないです。スライハンド部分はパストミッドナイト1~2巻でのベンジャミン・アールらしい雰囲気でした。
聞こえは怪しいが、経験を積むことで当てることが出来る様になる…
ベンジャミン・アール
まじかっ!ってなりましたが、よく考えたら似たような事を既にやっているので、多分練習したら出来るんでしょうね…
ピーク・テクニック
ルック・アウェイ・グリンプス
これも同様の手法をよくやっているので、流し見程度でした。
ドリブル・グリンプスという技法にサイコロジカルなサトルティを足したものです。
これも早速試しましたが、やはり不可能性を高く感じるそうです。
ネックになるのは視力くらいですね(メガネ男子)
SASフォース
とあるフォースを自然にする方法について。
これは好みが分かれそうで、自然だと思うかどうかも人によると思います。
サイト・フォースにも応用できるはずなので、そういう持ち方をするフォースを使う人には良いかもしれません。
インテゥイティヴ・ポーカー
1つ目は超堅実な方法ですが、2つ目のバリエーションは説明を聞いていて、まじかよ…ってなります(何回目?)
1つ目も割りと態度マジックという感じでしたが、2つ目はより観客の心理や行動を掌握する必要があります。
知人にこういった系統のをマジックをする人がいるので、オカルトとも言えません。私は今やれと言われても出来ませんよ?/(^o^)\
少し練習したいと思います…
トゥー・カード・トランスポ
16歳の時に考えたマジックだそうです。
良く出来ていますし、最小限のスライハンドでしっかり不思議な事が起きます。
最後の演出で、そこまでやっといてその原理挟むんだ?ってなりますが、「何でもあり」のメンタルらしさがありました。
これもスライハンド部分を練習して実演をしてみたいですね。
プレイング・ザ・オッズ(ボーナス)
ポーカーデモンストレーション。
マックス・メイビンの某ルーティンに近いものを感じました。
アウトを用意しにくい、若しくは慣れてないと非常にグダグダになる、更に言うとコレ系が苦手な人は現象が起きないというリスクがあります。
私が対マジシャン向けにチョイチョイやる"R4"も最終手段として似たようなアウトを使いますが、それ以上に安全策を打ちにくいルーティンです。
メンタル系好きな人ならばコレくらい出来るだろ?な?みたいな?
総評…どメンタル…
メンタルマジックやメンタリズムの中でも、特にピュアな方法でやる人でないと幾つかの現象はベストの再現が難しいです。
アウトは基本的にスライハンドなので、この辺もベンジャミン・アールらしいなと思いました。彼ほどスライハンド上手ければ、そりゃなんでも自信を持って出来ますわ…(^ρ^)
ベストパターンを目指すにはかなりの慣れが必要ですが、アウトで良いならそう難しく無いものもあるので、副題の「サイコロジカル・カード・マジック」をやってみたいという人には良いかもしれませんし、そこからステップアップするのもありです。
かく言う私も、メンタルにどっぷり浸かる前に見た時は「なんじゃこれ…」って感じでした。
最近改めて見直したら、「これ良いじゃん…」ってなったので、今回のレビューを書く流れになりました。
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