書籍:『説得の心理技術』について

書籍のタイトルであり、内容もそのものです。

著者が親の影響で元々カルト教団にいて、そこから脱退するまでの間に得た知識について書かれてそうな雰囲気の本です。

カルト教団がどのようにして人の心を操り、操作し、洗脳していくのか…で、カルト教団の手口が詳細に書かれているかと思うじゃないですか?

実際には、心理系の読み物みたいな内容で、引用元も所々見たことあるような部分が多かったりします。見たことある感じではあるものの、情報としてはまとまっていて読みやすいため、知人らに時々勧めています

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説得と操作

私個人の感覚ですが、催眠術と説得はプロセスが非常似通っています。なので催眠術を齧っている人からしたら、説得と操作の違いは分かりやすいかもしれません。催眠と洗脳くらい違う印象ですね。

この本全体を通してのテーマが「説得」であり、この説得の部分を「催眠術」と置き換えてもほとんどの文章の意味が通るくらい役に立っています。

ペルソナ

マジックでもこの用語が使われますが、ここで言うペルソナとは、説得をするために使う物で、ラポールを構築する上でやっておいた方が良いことをペルソナという概念で説明しています。まぁマジックで言うところのペルソナ的な要素も含まれていますし、人前で何かを行う人にとって基本的な考え方なのかもしれません。

内容としては、二次ソースであるものの、ワンランク上の服装についてや、勝負服の選び方、話し方、発声、ポジショニング(権威付け)、振る舞いについての情報がペルソナという要素としてコンパクトに纏められています。当ブログの投稿でも、この本を参考にしているものがチラホラとあります。

あるメンタリズム・セミナーで参加者の方がしていた「メンタリズムを行使することについての罪悪感」についての答えも、ペルソナの章で語られていたりします。

その他

なんというか、この本はやはっぱりカルト教団のエピソードというよりは、説得に関わる心理術をビジネスに活かす方法についてがメインなんですよね…

プレゼンテーションやマーケティングの本でもかなり似通った話が出てきますし、結局の所、ラポールを築く重要性、ラポールを築くための細かいテクニック、相手をその気にさせるための手法に集約される、小ネタ集的なイメージになります。

途中の30日で本を書く方法みたいなのは参考になりました(あまり書いていませんが…)

まとめ

スタートラインに立つための情報がまとめられた本。

これは知人も似たようなことを言っていますが、どんなにテクニックを凝らしても、最初に信用されなければ意味がありません。ダブル・バインドやイエス・セットを駆使したところで最低限のラポールが築けていなければそもそもテクニックとして成立しません。

「催眠術をやってる」と言って相手から「えーキモいー」なんてリアクションが出てくる時点で失敗していますし、相手から「掛けて欲しい」と思わせるためにペルソナが大事になってきます。

ペルソナを用意してから、ようやく様々な理論やテクニックを使おうって段階になるわけです。

メンタリズムや催眠をする上での心構えとか外観の準備については、この『説得の心理技術』か『ゲーム』でも読んでれば問題ないかと思っています。

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余談

この本では5つのステップで説得するみたいな話になっていますが、プレゼンテーションについての本であれば12ステップだとより細かく分けて考えられている場合もあるので、とりあえず最低限の要素でまとめたって印象がどうしても強いですね…

また、影響力についての話は『影響力の武器』や『PRE-SUATION』の方が詳しく書かれています。というか、『影響力の武器』の内容は普通に引用されてた気が…

ある意味で教祖になるための方法についてでもあるため、メンタリストを目指す方には良いかもしれません。

ロバート・B・チャルディーニ (著), 社会行動研究会 (翻訳)
ロバート・チャルディーニ (著), 安藤 清志 (翻訳), 曽根 寛樹 (翻訳)

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