【初心者向け?】マジック用語集〜基礎編〜(適当注意)

最近の検索で来る人の傾向的にマジック初心者・初学者の方が多いようなので、今回はマジック用語についてのお話です。

それ知っておいたほうが良いの?ってのまで私の独断と偏見で追加していきます。

正確な意味というよりは、民明書房の大全的な立ち位置を目指しているので、「んんん?」と引っかかる部分があれば、是非ご自身でお調べになってください…(※当サイトはSEO的にかなり強いので、どうしてもこのサイトが引っかかる可能性も…)

マジック(Magic)

本来は魔術や魔法、呪いを表す言葉。現代ではトリックによって行われる現象から、ただの早業、イカサマまでをも含むことがある。日本語では「手品」「奇術」が該当する。

英語ではconjuring tricks, sleight of hand, legerdemain, illusion, prestidigitation, deception, trickery, juggling...etc"と様々な呼称があるのは、魔女狩りなどの背景からMagicという言葉の印象が悪く、別の言い回しが必要になったとの説がある。

なお、日本では「マジック」に対してネガティブなイメージもないので、大体の人は「マジックをする」と普通に使っている。一部の差別化したい人は「○○マジック」「超○術」「ブレイン◯◯◯」と新たな造語を作るケースも多い。

クロース・アップ・マジック

クロース・アップ、つまり至近距離で行うマジック。数人を相手にするのがクロース・アップ・マジックという人もいれば、30人くらいまでと考える人もいる。

立った/座った状態、テーブルの有無は関係ないため、クロース・アップ用のネタを探す場合、自分の演じる環境に合っているかをよく確認しないと微妙な気持ちになる。

狭義には、食事などの席で突発的に行うカジュアルなマジックを指す。クロース・アップ・マジックでは仕掛けのない日用品を使う傾向があるのはこのためだと思われる。なお、そう主張している人としてはプロのクロース・アップ・マジシャンという存在は矛盾しているとか…

しっかり準備が整えられたクロース・アップ・マジックは後に述べるステージ或いはパーラー・マジックと呼ぶべきかも知れない。

テーブル・ホッピング

クロース・アップ・マジックの形態の1つ。

バーやレストランでテーブルを回って行うマジック。日本では法律的な問題から同席せず立ったまま演じることが多い(お店が警察署に許可を取っていれば同席できる)。

5分以内など短時間で完結し、リセットが容易な現象が好まれる。

ステージ・マジック

ステージでやるマジックのこと。イリュージョンも一応これに含まれる(はず)。

近年はカメラを通した映像をスクリーンに映すことで、クロース・アップ・マジックをステージ・マジックとして成立させる人もいる。

パーラー・マジック

クロース・アップとステージの中間くらいの規模でやるマジック。

パーラー用と書かれると、クロース・アップ・マジックで使う道具より気持ち大きいことが多い。

個人的には、ステージと観客席の境界が曖昧で多人数向けマジックのイメージ。

サロン・マジック

「パーラー・マジック」と同じで、主に日本語圏で使われる言い回し。

ストリート・マジック

路上でやるマジック。カジュアルスタイルと言う意味では、クロース・アップ・マジックの派生と言えるかも知れない。

流動性のある観客を相手にするため、通常のマジックとは別種の技術が必要になる。

バー・マジック

バーで行うマジック。狭義にはバー・カウンターを挟んで行うマジック。色々な処理が非常に楽で特有の技術も存在する。

ある一門では、バー・カウンターで隠れている部分への意識が疎かになり、人前に出る時に良くないという理由で推奨されていない。

映像マジック

映像で見ることを前提としたマジック。

映像編集が使われているものと、カメラ越しでしか成立しないマジックが含まれる。揶揄して使われることもある。

メンタル・マジック(Mental Magic)

読心術やテレパシー、念動力など超能力を再現するようなマジック。

ただし、メンタル的要因の無いマジックはマジック感が少ない(?)ので、不思議なマジックは全てメンタル・マジックの範疇に入るのでは?とも思ってしまう。

メンタリズムとメンタル・マジックの違いについては、過去の投稿を参照されたし。

ビザー・マジック(Bizarre Magic)

おどろおどろしいマジック。と言っても伝わりにくい。マジックの原義である「魔術」をフューチャーしたスタイルのマジック。

心霊現象や黒魔術の儀式などをテーマとした、観る人にちょっとした恐怖が伴う演出がされる。メンタル・マジックの演出違いとも言えなくはない。

何かよく分からないが、取り敢えずおどろおどろしい雰囲気であればここに含まれがち。

ピック・ポケット(Pickpocket)

スリの技術をショーとして披露するスタイル。

マジックの範疇に入るか微妙な所だが、ミスディレクションを大いに強調した演出がされやすく、マジックと組み合わせるケースも多い。

トリック(Trick)

策略や原理、仕掛けを表す言葉。

マジックそのものを指したり、タネを意味することもあるので前後の文脈から判断する必要のある語。

ミスディレクション(Misdirection)

注意を別のものに向けるテクニック。マジックが成り立つ要因の1つと考えられている。

初めてミスディレクションという単語を造ったのが誰かは不明であるが、マジシャンであり作家のハーラン・ターベルは「ほとんどの指先の技術を使ったマジックは、ミスディレクションによってできている」と述べており、マジックの百科事典の著者であるウォーターは、「ミスディレクションは、ほとんどのマジックの成功の礎である。それなしでは、最も卓越した技術や、機械仕掛けを使ったとしても真のマジックを起こすことはできない」と記している。

近年は学術的な根拠も出てき始めたので、興味のある人は調べてみると面白いかも知れない。

なお、意識を散らすのではなく別の物に向けるテクニックであり、意識を散らすのはミスディレクションではないと考えている人もいる模様。

アクト(Act)

演技。ルーティンの集合とも言える。持ち時間全てを含む。文脈によってはルーティンと同義。

ルーティン(Routine)

1つのマジックが完結するまでの流れ。セリフや動作が含まれる。

現象(phenomenon)

マジックによって起こる事象。

例えば、カードマジックのトライアンフでは「裏表が揃う」「相手のカードが当たる」と2つの現象が起こることになる。

マジックを見慣れていない人を相手にする際は、複数の現象が同時に起きない方が良いとも言われている。

スライハンド(Sleight of hand)

スライト・オブ・ハンド (Sleight of hand)の 和製略語(のはず)。単にスライトと呼ばれることもある。(なお、スライトだけでも手品を意味することがある)

直訳すると「手の器用さ」であるように、手先の技術を使っていることを指す言葉。

これが上手いと同業者に尊敬される。

「純粋なスライト」
「スライハンドとギミックを上手く組み合わせている」
「スライハンドは諦めた」

「スライハンド」の用法

失敗(Failure)

専門用語でマジックが上手く行かなかった事を指す。故意に起こしている場合と、そうではない場合がある。

たとえ失敗していたとしても、観客に失敗が伝わらなければ失敗ではない。

リカバリー(Recovery)

失敗から戻る作業などを指す。これが上手い人は観客に失敗した事を悟られない。

どうしてもリカバリーが出来ない状況では、素直に「失敗しました」と言って別のことをやった方が傷は広がらない。

フラッシュ(Flash)

観客から秘密の動作や仕掛けがチラッと見えてしまうこと。

ミスディレクションが上手く行かずに起きてしまう場合もあるが、準備不足か技量不足が主な原因。

通常はフラッシュしなくなるまで練習をしてから人前で演じるので、滅多に起きないはず。

マジシャンはフラッシュに対して比較的寛容であるものの、非マジシャンは「まじ萎える」「失望した」と過剰に反応する人もいるので、しないに越したことはない。

失敗よりもある意味で致命的。

ギミック(Gimmick)

仕掛けのある道具や装置の事。

力学や目の錯覚を利用した古典的なものから電子的な装置まで幅広く存在する。

こればかりに頼ると演出を疎かにしてしまう人が少なからずいる。私は大好き。

なお、初心者〜中級者のどこかのタイミングでギミックを使わないことこそが正義だと考える時期がある模様。

プロップ(Props)

「小道具」という意味(日本では単に「小道具」と言われ、プロップ(ス)という人はほぼいない)。

仕掛けのない道具のことで、ギミックと区別して使う人がいる(私とか!)。

サクラ(Stooge)

サクラ。使う人は使う。

特定の観客を即興のサクラとして運用する方法なども存在する。

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