レビュー:ジャーメイズ・マインド第1巻
旧ブログでも3つそれぞれ出てから直ぐにレビューを書いていたのですが、実際に観客の前で試してみたり、運用するための知識が多少は付いてきたので再びレビューしようと思い立ちました。そして、します。
それぞれの巻の印象を簡単に言うと以下のようになります。
コレに関しては出た当時からあった印象で、今でも変わりません。
目次
ジャーメイズ・マインド第1巻
内容的には第1巻が一番濃く、そして一番再現するのが難しいかと思います。
練習と場数が必要な現象が多いのですが、どれも本番でしか練習が出来ないのでは?と思われるものが多いのが理由です。また必要な道具を色々揃えたりすると結構財布にダメージがあるので注意が必要です…(^ρ^)
観客同士の認識の差を利用したものがあったりするので、最低でも20人以上は見ている人が欲しい所です。
ちなみに、濃いのは、日本語版の第1巻が英語版の1,2巻をまとめたものだそうで、純粋にボリュームが有るからかも知れません。
濃さ、密度で考えたら他の巻と大差ないかもしれませんね…
エクステンデッド・トスアウト・デック
やるために越えるべきハードルは幾つかありますが、今現在私が最もやっている現象といって過言ではありません。
カードを投げて渡すことで、観客を現象に巻き込むことが出来るのが良いところですね。
実際にやってみてわかったことは、状況によってはトスアウトの(投げて渡す)パートまでしなくても十分にウケるということです。
トスアウトまですると、ウケるのを通り越して観客が黙ります(^ρ^)
トスアウトしないのが前提であればもっと他に方法はありますがトスアウトデックをやるつもりで用意しておいたほうが「やる・やらない」の幅が広がるので、とりあえず初手エクステンデッド・トスアウト・デックにしても良いと思っています。
それとトスアウト・デックは事故がよく起きる話を聞きますし、私も1度だけ起きました。これに関しては指示の出し方を工夫したことでそれ以来一度も事故ったことはありません。
まぁ、トスアウト・デックで事故が起きたよって話を聞く限り、エクステンデッドではなくて普通のトスアウト・デックのようなので…あまり参考には出来ません…
繰り返しになりますが、指示の出し方によって事故率は下げることが出来ます。
コネクテド
リビング・オア・デッド・テストから「死」という重いテーマを取り除きカジュアルに出来るようにした現象。
「死」を使わなくなったことにより若干リーディング部分の難易度が上がっているように感じますが、それでも個人的なことを次々と当てていくのは不思議です。
これも観客を巻き込むスタイルになるので、ライブ感があって良いと思っています。
実際にやってみると見た人からは「怖い」「キモイ」と言われるため、そこを目指している人であれば是非挑戦してみて下さい。(個人情報が筒抜けになるので、特定された怖さもあるようです)
ちなみに、小道具一式は100ショップで揃います。マジケで小道具一式を2000円で売っていたブースが有りましたが、さすがにボリすぎかなと…(恐らく、小さいサイズの封筒が手に入りにくいと思いますが…あれ、実は100円ショップのセリアで売ってるんですよ…DAISOとCanDoでは確認できていません)
ゴルフペンシルは日本だとあまり見かけないような気もしますが、IKEAに行けばメモ用に大量においてあるので5本くらい取ってくるのもありです。それか、クリップペンシルという、プラスチックのクリップがついた鉛筆を買うのも手です(私はこれ使ってます)
以前は文具店でコクヨの50本入りとかしかありませんでしたが、最近はDAISOやCanDoなどの100円ショップでも売っています。しかもCanDoのは1本1本にキャップが付いているので結構便利です。
メモ用紙にしても、100円ショップであればどの店でも名刺サイズのメモカードがありますね(商品名は「多目的カード」だっけな?)
タッチング・オン・ホイ
成功すれば奇跡。
コレに関しては私はやっていません。その代わり知人がよくやっていますが…まぁ、結構事故りやすいです\(^o^)/
ただ…知人がよく事故るのは恐らくちゃんと解説を見ておらず、細かいポイントを外しているのが主な原因です。しっかりやり方を確認した上でイメトレをしてからチャレンジすればそこまで難易度画は高くないかも知れません。
自信ががなければアウトを用意するのもありです(この手順からアウトにつなげるのは少し難しい気もしますが…)
タッチング・オン・ディビネーション
タッチング・オン・ホイの派生。
スペクテーター・アズ・マインドリーダー
これも一種のタッチング・オン・ホイの派生ですが、タッチング・オン・ホイをやらずにこっちだけをやるのも手だと思います。構造は似ていますがこちらのほうが失敗が少ないと予想されます。その代わり、個人的にはこちらの方が演出がやや難しいかと。
Q&Aパフォーマンス
ぶっちゃけてしまうと、ただのコールドリーディングです。
コールドリーディング+若干のホット・リーディング。
最初これを見た時は「こんなの出来るかっ!」と思っていました(^ρ^)
一応解説らしきものはありますが、基本的にやり方そのものよりも見せ方とかコツについて語られています。実際にやってみないと分からないコツなので、まずは最低限の知識を詰め込んで人前でやる必要があるため、非常にハードルの高い演技です(演技と呼べるかすら怪しい)
解説中に、PASSAGEやDYNAMITE MENTALISMを参考にした話や、タロットについての話がされています。
こういう経緯があって、上記の2冊を入手し、さらにはタロットリーディングにも手を出しました。PASSAGEはまだ読めていませんが(内容を確認するのに斜め読みはしています)、内容的にはDYNAMITE MEANTLISMと似ています。というよりは、PASSAGEの内容をマジシャン&メンタリスト向けにまとめたのがDYNAMITE MENTALISMと言う方が近いです。DYNAMITE MENTALISMは更にやり方についても書かれていますが…まだ読み終わってないので細かいことは言えません(^ρ^)
他にも、コールド・リーディングで有りがちな、同じ人相手なのに全然違うリーディング結果を出してしまう場合の回避方法等が紹介されていますが、日本人相手にそのまま使えるかは微妙なところなので、若干の工夫は必要です。
リーディングをする上で最低限必要なのは以下の知識となります
- コールドリーディングの知識
- PASSAGEに書かれているような内容についての知識
- タロットリーディングの知識
PASSAGEに関しては日本語も昔出ていたそうですが、今は絶版ぽいですね?他2つに関しては日本語の本があるので割りと簡単に取り組めると思います。
『コールド・リーディング』(イアン・ローランド)
『PASSAGE』(Gail Sheehy)
『タロットの秘密』(鏡リュウジ)
この3冊があれば取り敢えずはスタートラインに立てると思います。まぁ、私は2つでスタートを切ろうとしていますが…(^ρ^)
リーディングに関しては、タロットリーディングが出来ればある程度出来てしまいます。媒介を使うか使わないかの差しかありません。
ただ、媒介を通したほうが色々と都合が良いことも多いので、コールド・リーディングをしたい人はタロットにも手を出しておいたほうが良いと思います。
イアン・ローランドの「コールド・リーディング」でも多くがタロットを使う状況の解説ですしね…
(『タロットの秘密』は2017年4月に出た新書で、低価格ながら今までのタロットの入門書よりも詳しいかもしれないという本です。タロットの歴史から、いつごろからタロットが占いに使われるようになったかなどの一通りの知識が付くので、薀蓄から語る人、形から入る人には適切かと…コレに関してはそのうち別にレビューをするかもしれません。)
第1巻でもある程度の話はされていますが、第3巻でまたコツを語っているので、気になる方は第3巻も一緒に見ると尚良いです。
まぁ…体系的な技術とは言えないので、幾ら話しても足りないような…
マインド・ミュージアム
タッチング・オン・ディビネーションのバリエーションと商品解説にはありますが、どちらかと言うとQ&Aパフォーマンスの対1人版です。
ここまで書けばわかると思いますが、これもただのリーディングです(^ρ^)
これこそタロットを出してやってしまえば良いような気もしますね!
まとめ
ジャーメイすげぇ…
ってなります。実演を見ても解説を聞いても。
よほどやる気が無いと観賞用になります。それと多人数相手にやる機会が無い人にも無用の長物になります。
というのも、マジックらしい解決法である、エクステンデッド・トス・アウト・デックもコネクテドどちらも多人数向けだからです。(ジャーメイはコネクテドでもリーディングの要素を盛り込んでいますが、それを排除しても現象としてしっかり成り立ちます。その場合はマインド・リーディングやメンタリズムではなく、ただの"メンタルマジック"みたいな感じになりますが…)
タッチング・オン・ホイもある程度の観客数、少なくても複数のグループが混在している状況の方がやりやすいはずです。
対個人で出来るのはコールド・リーディングの分野であって、普通のマジックの技術を身につけるのとは別のアプローチが必要になってきます。
私はこのジャーメイズ・マインド第1巻を観て、メンタルに片足を突っ込んで居た状態から両足とも踏み入れることになりましたヽ(=´▽`=)ノ
ある意味完成形が提示されたと言っても過言ではありません。少なくとも目指す方向が決まるくらいのインパクトがありました。
興味本位で見るのはあまりオススメできません。繰り返しになりますが、興味本位で見た場合確実に観賞用になります。
(流石にこれは言いすぎかな…)
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