スカルダガリを久しぶりに見て…
ルーク・ジャーメイのスカルダガリの日本語版を入手したので久しぶりに見ました。
久しぶりに見たら印象がかなり変わりました…
以前見た時に英語が正確に聞き取れていなかった部分も勿論ありますが、何より当時は催眠術の実演を全くしていなかった頃なので感覚が全然違いました。
目次
スカルダガリ
スカルダガリを見た印象は「暗示の旅」
暗示を駆使したマジック(と呼べるのか?)で、基本的に1つの暗示というよりは複数の暗示を組み合わせてやるのが多くあります。
ルーク・ジャーメイが最後の方でも言っていますが、複数の暗示を組み合わせて実演をしているうちに自分にあった方法が見つかると言っていたので、「探す→旅」というイメージがつきました。
ほぼ催眠術と言えますが、実際にはルーク・ジャーメイが言うように「催眠術ではない」で、催眠術に見える、催眠術の一部として使われることのある心的現象がベースになっています。
RGM
トリックをアウトに用意した状態で、安全に行う忘却暗示です。
ジャーメイ本人はほぼアウトは使わないそうです。
忘却が起きるのは古典的アプローチで言う、トランスの6段階中4段階より上の状態ですが、これはトランスというよりはアクションスリップを意図的に起こしている感じがします。
結局は一種の催眠状態と言えますが、催眠術とはまた少し違ったアプローチという感じもあります。(トランスという言葉はあまり正確な表現ではありませんが、便利なのでここでは使用しています)
※追記:後に調べてみた所、同系統の手法で名前を言えなくさせるなどがありましたが、どうも催眠術とは別系統の技術で、いわゆる疑似催眠の一種である可能性がかなり高いです。催眠術師がよくやる「名前が言えなくなる暗示」も実は催眠現象ではないパターンがかなり多くあるようです。
For Andruzzi
脈を止めるパフォーマンスで、これも催眠術をやる人であればそこまで抵抗感は無い方法です。
最近私が数量限定で無料配布をしている『STOP YOUR MIND』で解説されている方法を使えば第1フェーズは暗示を使わなくても可能ですし、これの練習に丁度良いかと思います(元々これを安全にやりたくて思いついた方法ですしね...)
※無料配布は終わりました。現在はnoteで簡易解説を投稿しています。
Synchronized
オスタリンドも似たようなことをやっていたような気がします。多分オスタリンド…
ただそれよりもアホらしい(褒め言葉)方法が取られていますし、条件さえあればどこかでチョイチョイっとやってみたくはあります。
The Burst Bubble Suggestion
手法というよりは演出的な側面が強い現象。
この演出は後に発表されるタッチング・オン・ホイの演出にも使われています。
And If I Fall
感覚の操作に近い現象。
やるにはある程度のスライハンド的な能力と大胆さが必要です。
テクニックが必要なメンタルエフェクトですし、人によってはこれをやるのは相当ハードルが高いです。
A Darker Dai
5つのオブジェクトから観客が選んだ物を当てるという現象。
バーヴァル・コントロールかと思いきや割りとピュアな方法を使っています。ディスプレイやら色々な工夫と気休め程度のアウトが解説されています。
これはちょっとやってみたいですね…少し工夫したら直ぐに出来そうです。
The 7th Deception
演出的な側面が強い現象。
NLP的な雰囲気がありますが、あくまでパフォーマーとしてやるのが前提だそうです。
A Twisted Palm
手の皺の変化。
ベンジャミン・アールのスキンでも似たような現象がありますが、そちらよりも解説が大雑把な気もします。アウトが無いのでそれが気になる人は出来ないかもしれません。
これはもうほぼ催眠術と言っても過言ではありません。
全体を通して…
以前の私ならともかく、現在の私のスキルであれば全てが再現出来ます。
noteの方でも出している『STOP YOUR MIND』なんかは完全にこのレクチャーの影響で思いついたものです(ざっくりいうとFor Andruzziを暗示無しで簡単にやる方法ななので…)
恐らく、催眠術師とマジシャンが同時にこのレクチャーを見た場合、催眠術師の方が先に再現出来るようになると思います。マジック的なスライハンドが必要な現象も幾つかありますが、基本的には手先の器用さよりも暗示の入れ方が大事です。
少なくとも催眠術の知識があったほうが理解しやすいですし、実行する際も有利になります。特にRGMやFor Andruzzi、A Twisted Palmは催眠術が出来る人であれば特に練習なしに出来そうな感じすらあります…それくらい催眠術に寄ったマジックです。
マジックの知識しかない人がコレをやろうと思うとかなりきついのでは?と思いますが、厳密には催眠術とも言えない手法であるため、練習したら案外すんなりと出来るようになるかも知れません。
読心だけがメンタリズムではありませんが、正に読心以外のメンタリズムという感じがあります。
一応マジックとメンタリズムの融合っぽいのがコンセプトっぽいですし?
逆説的ですがこの現象が全てできるのであれば催眠術は直ぐに出来るようになります。しかも古典的アプローチというよりは現代催眠的なアプローチです。
興味のある人は見てみると良いかと…
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