レビュー:Emesqua on Spirit Magic

御機嫌よう

お久しぶりですわね。お嬢様マジシャンですわ!

 

なんだか最近、すべてのことにスランプでしたの。
理由はわかりきっておりますわ。単位ですの。単位が足りませんの。

人間ストレス要因があるとほかの物事も手がつかなくなりますわよね。
それはお嬢様であれど変わりはなく、めっきりやる気根気元気が削がれて何もできなくなっていましたわ。

お母様にどんな顔で単位がやばいことを話したらいいのかわかりませんの。
記憶喪失マジック楽しいとか言ってたら単位喪失とか笑えませんわ。

 

そんなこんなでウダウダとマジックをさぼっていたのですけど、京都大学マジックサークルKUMA様のステージを見て、久々にやる気がわきましたの。ACAANっていいですわね。
という言い訳で現実逃避しに帰ってきましたの。

関係ございませんが、サークルの過去スクラップあさってたら、日本の奇術師系図みたいなのが出てきましたわね。
奇術史に疎いもので、帰天斎一門の存在を初めて知りましたわ。

 

 

Emesqua on Spirit Magic

近況報告も終わったのでレビューに入りますわ。

今回レビューするのは、「Emesqua on Spirit Magic」

Mentalism center様にて30$で販売されており、ビザーマジックっぽい何か…?を行う方法が乗ったものですわね。

art vanderlay様のようなマジックを期待していたのですが、クオリティとしてはそこまでいかない感じの…?ものでしたわ。
よく言えば実践的なビザーマジック…?

Mentalism centerにて書いてある煽り文には多々文句を言いたいですけども、色々と応用が利きそうだなぁとは思う作品集でしたわ。

 

レビュー

Fire Match

マッチに手をかざすと、火が付く。

感想

ちょっとストレートすぎてびっくりしましたわね。

いや確かにそうなるけど、けども!!!!って感じの……

 

「そういう雰囲気作るのマジ大事」って最初のほうに連呼してたの、単純な種をいかに演出で隠すかって意味だと分かってはいたのですが、それにしてもそのままでびっくりしましたの。

上手くやれば百均でも買える道具を使いますわ。

ただ、百均で買ったものは安全性のロックがめんどくさい形で、実演には不向きですわね。

また、ギミックの処理の仕方が書いてないのは残念でしたわ。
わたくしならGekkoで引いてしまいますわね。

なにより、Mentalism centerでの広告文には、準備なしと書いていたのにギミックの用意は必要なんかいなんて一人突っ込みしてしまいましたの。

確かに借りたマッチでできますけども……。

これ一つでやるというより、ビザーマジックルーティンの中に組み込むのが良い感じですわね。
火をつける必要があるときに、マッチに手をかざすだけで火がつくのはかっこいいですわ。

なんだかんだ文句言ってますが、わたくしはスランプ中に考えてた日本人形のビザールーティンに組み込んだりしてますの。

雰囲気作りには最高ですわね。

 

Ectoplasm

暗闇で演者がエネルギーを集めると、突然、エクトプラズムが現れます。

レビュー

13 Steps to Mentalism」に乗っているEctoplasmの改案?ですわね。

13 Steps to Mentalismにあるものは蛍光塗料使ってた気がしますが、こちらではThe、白いハンカチですわね。

見えるのかしら…?

原案もそうですが、エクトプラズム現象自体、スピリチュアリズムや交霊会が盛んな文化でないと受けないのでは…?と思いますわね。

和風ビザーとしては人魂?などの演出になるでしょうし、このままでは少し使いづらいかなと思いましたわ。

 

エクトプラズムの出し方も、マジシャンならみなやったことある解決法ですわね。

他の物もですが、解決法が単純すぎてびっくりしますわ。

難易度が低い分、誰でもできますわね。

これも何かしらのルーティンに組み込むしかないですわね。

 

Emesqua Voodoo

名刺に人型を書き、見えるところに置いておきます

体の部位を選択してもらい、火を使った怪しい呪術でその場に熱を覚えさせます。

最初に書いた人型を見ると、その部分が軽く焦げています。

レビュー

この手の現象を限りなく簡単に起こすものですわね。

熱を覚えさせるところは催眠暗示?的なモノなのですけども、肝心の暗示法については全く書いてませんわ。

トリックで解決したい人は前にレビューした「Hot Voodoo Doll」とか使えますわね。

Kenton Knepperが出している「MTP MENTALISM TRANCE POWERS」でも熱い感覚を持たせられる…?っぽいのですけど、買ってないのでわかりませんわ。
Kenton Knepper関連は偏見なのですが、Knepperと取り巻きしかできないネタが多い気がして……手が出しにくいですの。

 

お嬢様は催眠っぽいのは好みますが、催眠自体は未履修なので、いったんこの演技は後回しですわ。

こないだ京都のストリートで拝見した催眠で、手のひらを暖かくするものがありましたし、うまく転用できれば……ですわね。

 

Image of the Soul

観客が選んだ人物が、写真から奇妙に消失します。

レビュー

これもトリック自体はかなり単純ですわね。

全体通してそうですけど、タネの突飛さを求めて購入するには高すぎますわ。

わたくしはオカルト系統が好みなので良いですが、他の方だと腑に落ちないのではないでしょうか…?

 

アウトの手段増やして、不思議感上げていきたいなって思うのですが、逆にこの素朴な感じが良いのかもしれませんわね。

よくある殺人鬼や被害者を当てるビザーマジックと組み合わせると面白いかも…?

 

Emesqua Spirit Writing

四枚の白いカードを裏表見せ、愛する人を思い浮かべてもらいます。

1から4の好きな数字を言ってもらうと、その数字に対応したカードにメッセージが生まれます。

レビュー

かなり単純というか……なんというか……マジック…?

そういう雰囲気を完璧に作り上げて、色々とサトルティ足してってやってようやくな気がしますわね……。

技術としては誰でもできますが、一作品のマジックとして魅せるには大変ですわね。

 

いや勿論、カードマジックで同じアウトの作り方があるのはわかってますけども……

うーん……。

パワフルでシンプルな方法と書いてますが、まぁシンプルではありますし、このシンプルさはパワフルでもあります。

 

Gaia

地の精を呼び出し、木の葉や木の枝を浮遊させる。

レビュー

これをレクチャーとして出していいなら、わたくしも書きますわよ。

やり方は想像通りで目新しさはなく、コツとかも全然書いてませんわ。

言うに事欠いて最後には、「art vanderlayの作品とかに組み合わせてみて~」とかなんとか。

 

せめてこう、何と言いますか、魅せ方とかの工夫を……。

「あなたがガイアを呼び出せたと信じるなら~」的な根性論はいらないんですの……。

そういう演出をすることによって、単純なマジックも奇跡になる、ということを言いたいのであれば、その演出の方法に文字数を割いてほしいですわ……。

CM1に収録されていた「ボーナス・オプティカ」のほうが、同じ現象でより詳しく「神秘的に」魅せる説明がなされてますわね。

 

Haunted Car

小さなおもちゃの車を、子供の霊が動かして遊びます。

レビュー

これもまぁ案の定トリックは単純ですわね。演出で隠そう的な。

大体レビュー内容は上記のGaiaと同じですわね。

もう少し演出面を書いてほしいですわ…

個人的には発想は凄い好きな分、残念ですわね……

 

元とるためにも、いつか何かのルーティンに組み込みたい……

 

Healing

火で水膨れを作り、直す。

また、切り傷を振り子で治す。

レビュー

ボーナスで、Pablo Amira様によるヒーリング現象ですわね。

変わらずトリックに関しては単純なのですが、比較的演出指導が増えたため満足感がありますわ。

他の本と比べたら圧倒的に少ないですけども……

 

個人的には、振り子のイメージがヒーリングと結びつかないのとか、結構大胆なのでうまく演じる自信がないとか、いろいろ思う理由で演じるまではいきませんけども、本書の中では実践的な部類だと思いますわ。

実際あの有名な水膨れの作り方ってどの程度バレないんでしょうか…?

 

まとめ

全体を通して、原案もわからないようなクラシックのトリックを、いかに演出で生き返らせるかといった感じの内容でしたわ。
ビザー系のレパートリーが増やせるかと期待したのですが、そこまで革新的な何かに会えた!!とはなりませんでしたわね。

ビザールーティンを組むときに小ネタを追加するのにはよいと思われますの。

また、マジックの技術はないけど交霊会やりたい人などにも向いているかもしれませんわ。

もうちょっと、演出面を説明してくれたら文句なしだったのですが……の一言に尽きますわね。

 

それでは御機嫌よう。

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