スティル・ファンシー・ア・ポット・オブ・ジャム?の感想

あまりにも書くネタに困ったので、旧ブログ時代にレビューを書いた作品を再び取り上げようと思います。まぁ既にスカルダガリとか、ジャーメイズ・マインドの感想を再び書くなんてことをしていますし…?(゚∀゚)

マジシャンにオススメのDVDは?と聞かれたら、取り敢えずこれを挙げます(゚∀゚)

スティル・ファンシー・ア・ポット・オブ・ジャム?

イギリスのマジシャン(?)、ジェームズ・ブラウンによるレクチャーDVD。スクリプト・マヌーヴァから日本語字幕版が出ています。
※本人は"Professional opportunist"と名乗っていますが、ロンドン・マジック・サークル(歴史の長いサークル)でクロース・アップ・マジシャン・オブ・ザ・イヤー2006に選ばれています。

いやしくもマジシャンを志す者なら、ミスディレクションを極めたいと思わない人はいないのではないでしょうか?このDVDの内容は、現場の経験から編み出された、実践的なミスディレクションを駆使したキラーエフェクトのフルコースです!

荒削り?確かにそうかもしれません。しかしジェームズ・ブラウンは2006年にイギリスのマジック・サークルでクロースアップ・マジシャン・オブ・ザ・イヤーに輝いた実力者です。ただ勢いとテクニックだけで演じるタイプでは決してありません。チャレンジングな現象に果敢に取り組み、見事に解決しています。

自分で手順を構成できる上級者向けの内容ですが、必ず学ぶところを見いだせるオススメの一本です!

スティル・ファンシー・ア・ポット・オブ・ジャム?

紹介にあるように、ミスディレクションを縦横に駆使した作品ばかりです。

パブ(バーみたいなもん)で実演映像が撮られているため、ホッピング向けのルーティンとも言えます。スタンドアップのテーブルなしで出来る物が大半で、当時レストランでホッピングをしていた私に取ってはかなり武器になったルーティンばかりです。

解説されているルーティンについて

カードマジックに関してはレギュラー・デックで基本的にできます。某ギミックを使う手順もありますが、デック自体はレギュラーです。

Card Opener

観客の選んだカードが他のカードに変わってたり、ポケットから出てきたり、最終的にそのカード以外が消えていたりする一言で言い表すのが難しいルーティン。

これがきっかけでワンハンド・ホット・ショット・カットを練習し始めた人を数名知っています…(私もその1人ですが…)

カード・トゥ・ポケットを割と無理なくやれる構成になっているので、前半のスライハンドさえできる技術があれば問題なく現象が起こせます。

Psycological Deck Vanish

選ばれたカードをデックに戻し、デックを持った演者の手を観客が包むと、選ばれたカード以外が消失している現象。

「マジック見せて!」と言われた時にやるルーティンだとか。私も「何かやって」と言われたら、取り敢えずこれをやっていました。私の一番のお気に入りです。

簡単なコントロールとミスディレクションだけで成立するため、特に準備なども要らず、非常に手軽に行えます。

11p Trick with Pot of Jam / ファンシー・ア・ポット・オブ・ジャム

コインマジックをしていると、途中からジャムの小瓶が出てきて、気がついたら客の肩の上に小瓶が乗っているルーティン。

この解説中にタイトルの話が出てきます。

ジェームズ・ブラウンはピック・ポケットのレクチャーも出していますが、正にピック・ポケット的なミスディレクションの掛け方になっていますね。

Card Under Watch

サインカードが観客の腕時計に挟まれている現象。

サインしない方が流れ的には好みです。というよりは、ミスディレクションを仕掛けるタイミングが取りやすいですね。サインしない場合はイギリスのメンタル勢がよくやるカードの技法が使われてたはず(うろ覚え)。

Card Under Box

現象は名前のままだとして…これ単純に本人が上手いだけじゃね?と思ったルーティン。

このレクチャー内でやったこと無い現象の1つです。

Diminishing Switch

ちょっと記憶に無いので、パス…(ぉぃ)

※2年越しに感想文を書いています(初稿が2018年…)

Coin Under Watch

特に言うことがありませんね!

コイン・アンダー・ウォッチの具体的なやり方というよりは、コツみたいな話だったと思います。

Watch Steal

説明がかなり簡単なので、これ見てウォッチ・スティールができるようになるかはなんとも言えません。

ジェームズ・ブラウンはピックポケットの名手でもあり、レクチャーも出していますね。

Bang Up!

デックを持っている観客の手に輪ゴムを巻いて、デックを落とすと観客の選んだカードが手の甲側に出てくる現象。

やろうやろうと思いつつ、1度くらいしかやったことないルーティンですね。カードの技法で言えばトップコントロールさえできれば成立します。

Spectator Card to Envelope

観客がマジシャンの役をやる様な手順です。

このレクチャーでは珍しく準備が少しだけ必要ですが、セットアップは割と軽めです。やったことのない現象の1つ。

Brainless Travellers

20枚のカードを10枚ずつに分け、広げたカードから1枚を見て覚えてもらい、もう一度カードを広げると観客のカードがもう片方のパケットに移動しているという現象(分かりにくい)。

これ凄いのが、1回の現象で終わりと思いきや、2回目も起きるという…若干テクニカルな要素がありますし、賢いというよりは上手いって感じのアプローチです。これまたメンタル勢あるあるなカード技法があります。

その他:

幾つかの技法と、実演、現象がありますが長いので省略(ぉぃ)

まとめ

説明がやや雑で、ある程度技法を知っていて使える人向けのレクチャーになっています。

質問が来ると「(え?知らないの?)」みたいな感じで答え始めますし、技法部分についての説明は特にゆっくりやってくれるというわけでもありません。

サイド・スティールが多用されるので、最低限これができるか、或いは他のトップコントロールとスティールができる必要があります。

スライハンドがある程度ちゃんとできた上で、ミスディレクションが利用されるルーティンと言ったところです。

既に述べていますが、スタンドアップのテーブル無しで行えるルーティンが多いため、ホッピングする人には良いと思います。それと多分ストリートでもできるはず…

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