Body Mentalism by Juan Pablo Ibanez

レクチャーの販売益で普段なら買わないようなレクチャーを買ってみました。
(ただの税金対策では?)

タイトルを見てピンとくる方がいるかも知れませんが、当ブログで月ノ風氏が既にレビューを書いているんですよね…これ。

Body Mentalism

原理系で私の記憶が確かなら…『セルフワーキング・マジック事典』にも同じ原理が乗っていたはずです。

身近なところでは眉村神也氏もこの性質を利用した現象をテレビでやっていますし、結構有名な原理だと思います。

現象:

5人の観客の内、特定の物を誰が持っているか当てる現象。
(物は演者が見てない状態で観客間を移動する)

良いところ:

  • 手ぶらで演じられる
  • ある種のフォースになっている

手ぶらで演じられるのが先ず良いところだと思います。観客の誰かの私物を使えば、道具を用意する必要すらありません。

ある種のフォースとして使えるため、それを利用した現象が行なえます。そして、フォースになっているということはギミックやホットリーディングとの相性が良いとも言えます。

そもそもこの原理はフォースとして知ったので、むしろそちらが本来の使い方だと思います。

微妙な所:

  • 空間が必要
  • 原理が推測される可能性がある
  • 読みにくい

基本的なルーティンを行う場合、観客5人に前に出てきて貰うため、動けるだけの空間が必要になります。

ただ、演者:観客=1:5 の人数比でも成立しますし、バリエーションによっては3人以上いれば現象は起こせるのでそこまで問題にならないかも知れません。ただ、3人でやると原理が推測される可能性が高くなるので、5〜7人を相手にやった方が良いかと思います。

原理系に共通する問題として、推測される可能性はどうしてもあります。これについては、ギミックを併用したりホットリーディングを組み合わせることでかなり解消できると思いますが、そうすると "Body Mentalism" のコンセプトから外れるんじゃないかと思います。

この辺は "V2" と同じ感じがしますね。"V2" もノーギミックで出来ると謳われているものの、著者が最もやっているパターンや個人的に良いと思ったルーティンはギミックが必要になります。

また、フェザータッチが翻訳しているバージョンを購入しましたが、アルファベットがすべて大文字になっていたり、文字が大きすぎたり、余白が少なかったりと本として読みにくかったなと…

その他:

Mark Elsdon の "Tequila Hustler" と組み合わせた手法が紹介されています。

"Tequila Hustler" は原理や手法が "V2" と非常に似通っており、またほぼ同時期にでたレクチャーでもあります。もし "V2" を既に所有しているのであれば "Tequila Hustler" を新たに入手する必要はありません。

個人的な意見としては "V2" はギミックと組み合わせてこそというイメージがありますし、 "Tequila Hustler" の方がより原理が生かされた演出だと感じます。

マノス・カルタキス (著), 宗像寿祥 (翻訳)

まとめ:

原理的には既知であるものの、バリエーションの半分くらいは面白かったです。

ある程度広い空間で演る人で、特にプリショーに抵抗の無い人には良いかも知れません。

原理自体はそこそこ有名なのでは、後は価格を許容できるかですね。

ちなみに、本当の意味で身体を使った、やや頭の悪い現象をやりたい方は Luke Jermay の "Real Body Magic" を見て下さい(多分後悔します)。

それと、当サイトで販売している "Φ" にも身体を使った現象があるので、興味のある方はそちらも!(ダイマ)

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