オリジナリティについて

なぜオリジナリティが必要なのか

オリジナリティが大事と言われています(2回目)

 

他人のルーティンを完コピしても、受けるのであればそれで良いじゃない?と思う人はいますし、私も割とこの意見には賛成だったりします。
ただし、趣味でやっている限りは…と続きますが…

モブとメインキャスト

物語の登場人物を例に挙げます。

メインに出てくる人物は、みな個性が被らないように設定されていることがほとんどだと思います。モブですら多少の区別はあります。区別が無いと言ったら背景(エキストラ)くらいですよね。

例外的に主人公だけは他の人の下位互換だったりする場合もありますが、これは主人公という強力な立ち位置による個性、いわゆる主人公補正が入ります。

例えばHUNTER X HUNTER では、念能力というものがあり、これはキャラによって全員違うとされる設定です。強化系は単純な能力なのでバリエーションが少ないのですが、それでもキャラの性格とそれに伴う能力の差異によって他キャラとの差別化がされています(途中から変化系よりの強化系、具現化系よりの強化系なんて設定もできました…)。

 

マジックにおいて簡単にオリジナリティを出す方法の1つとして、「他の人と違う現象を行う」という手があると書きました。マジックの現象は、念能力で言うと、発露された能力とその結果です。

現象(能力)そのものが他の人と違えば、それは間違いなく個性ですし、同じ様な現象でも因果を弄ればそれも個性になります。

ここで言う因果の「」は現象が起きる前のフリです。ジェスチャーだったり擬音だったり、現象が起きるための設定或いは前提です。「」は起きた現象と現象の結末となります(例:能力を受けた人は吹っ飛ぶ→死亡するor絶対に死なないor一見無傷...など)

 

ただこれは、全員が能力を持っているのが前提の話です。

モブキャラでも能力があるというだけで、非能力者にとっては脅威となります。

つまり、能力者の中で目立つ必要があるのか、非能力者の中でだけ目立てば良いのかで、また変わってきます。

 

目標地点

オリジナリティが必要かどうかは、その人の目標によると考えています。

マジック愛好家でいたい人

あまりオリジナリティを追求する必要はありません。もちろんオリジナリティはあったほうが良いのですが、職業的に演じているわけでもありませんし、見せる相手が非マジシャンであれば「ちょっとマジックの上手い人」と思われる確率が高いです。

オリジナリティを追求するよりは、受けネタを連発した方が気楽です。

ただ、愛好家の方がより多く研究しているケースは多々ありますし、この層から少なくないオリジナル・ルーティンが出ているような気もします(^ρ^)
オリジナリティが必要ない層なのに、もっともオリジナリティが出てくる層だとも言えます。母数の差ですかね?

マジシャンの中で突出したい人

こう思っている人は、周りにマジシャンが多い環境です。

この場合、技法をとことん磨き、一番うまくなれば解決します。

現象が変わらなければ、技法のオリジナリティは評価されにくいと上に書きましたが、それは非マジシャンから見た場合です。見せる対象がマジシャンであれば、技術は個性になり得ます。
また、技法が際立つルーティンを考え出せば、非マジシャンにも受けるものになるかも知れません。

問題は誰でも出来る技法を作ってしまった場合、上位互換が現れると立場がなくなる可能性があります。

マジシャンとして突出したい人

職業的にマジックをしている人は、これを目指している…とは言い切れませんが、少なくとも最もオリジナリティを要求されます。

相手にするお客さんはマジシャン、非マジシャン問わないため、現象や演出に個性をもたせる必要があります。

噂では、バーマジシャンは受けネタを連発して没個性的になっている人が多い、という話も聞きますが、お金を落としていってもらうために受けネタに走るのは理解できます。
その代わり、似たようなマジックを何回も見るようになるので、本人にお客さんがつかないとどんどん人が離れていく恐れがあります。

なのでバーマジシャンがプロマジシャンなのか、マジックが出来るだけのバーテンダーなのかに関わらず、オリジナリティは必要になってくるはずです。

「盛り上げるのは上手いけど、マジック自体は対して上手くない」、って評価されるバーマジシャンが多いのもどうかと思いますが…これも上位互換である「盛り上げ上手で、マジックも上手い」マジシャンが出てきたら立場がなくなるタイプです。

 

 

趣味でやってるのか職業的にやってるのか、上を目指したいのか、見る人の層がどうなっているのかをまず考えないと、オリジナリティが必要か判断するのは難しいですね(^ρ^)

 

結論

マジック+αでオリジナリティが決まる

個性=オリジナリティだと仮定します。

マジックをするだけでも、初めて見る人にすれば、それは演者の個性となります。
もしマジックを見慣れている人を相手によくある現象をやる場合プラスαが必要になります。

現象そのものをマイナーなやつにする手もありますが、それを発掘するか、自ら創造して、更に演者に合うように改良するのは非常に難しいため、演出だけ工夫したほうが楽だと言えます。

現象そのものを弄らなくとも、演出を変えるだけガラッと印象が変わります。

少し前に、よくあるプレディクション(予言)を変わった開示方法でやった日本人マジシャンがいましたよね?
原理的な話をしたら非常に単純ですが、オリジナリティがあったと評価されると思います。

人間性を出す

演出の工夫部分、+αがその演者由来かどうかが大事になります。
演者独自の発想や思想が前面に出ているか、演者自身のキャラクターが表現されているかです。

もし他人の真似をして、演じるルーティンごとに少しずつ違うキャラクターを演じた場合、演者の存在が薄くなります。それはそれで良いかも知れませんが、演者を薄くした場合、個性を出すのが難しくなります。

なんの思想もなくマジックを垂れ流すのであれば、それは機械的です。
演者の人間性が感じられるマジックは、現象の因果が似ていても、個性的だと感じられやすくなるはずです。

 

結局は、マジシャンの人間性が大事、なんてよく言われるところに落ちた気がします…\(^o^)/

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