効率の良い訓練とは
「学問に王道なし」
有名な言葉です。
しかし、考えてみて下さい。王族や貴族、富裕層はその地位と権力を持って、子供に最高の教育を受けさせているイメージがありませんか?
実際に、教える人や手法によって効率にかなりの差が出ます。持論ですが、世の天才と呼ばれる人種のほとんどは、自然と効率のいい方法を選べる人だと考えています。
自分自身の環境が特殊なためか、周りはに高学歴の人がやたらいます。それこそケンブリッジ、オックスフォード、ハーバード、コロンビア、MIT、シンガポール…世界トップクラスの名門大学ですね…
彼らと交流を持つことでわかったのは、基本的にには自分と認知能力に大きな差はなく、効率的な学習を長く積み重ねることが出来たかどうか、自分に最も適した学習方法を習慣的に行えたかの違いしか無いと感じています。
ちなみに、IQは学習能力の低い人を効率よく見つけて支援するために出来た指標なので、低さにこそ意味があるテストだったりします。IQテストは対策がしやすく、専用の勉強をすると簡単に点数が上がるため、高いIQ値にはさほど意味がないのですが…これはあまり知られていないようですね(^ρ^)
高IQを売りにしてる割に「頭悪いな?」って思う人物を見かけたら、「この人頑張って試験対策したんだな」と考えるのが自然です。
もちろん、「こいつ、頭の作りどうなってやがる…?」と思える人もいますが、それこそ極少数の例外です。流石に1度見聞きしたものは忘れないってのはチート過ぎます…\(^o^)/
(大学の先輩で日常生活に支障をきたすレベルの人がいたので、そんなに羨ましくもありませんが…)
話が脱線しましたが、私の主張は「学問に王道なし」は最適な学習方法を取った上で成り立つ言葉だということです。
目次
本質と意味を考えること
学習でも訓練でも同じで、自分がこれから習得しようとしているものの本質を捉えることが大事です。理論はもちろん、それで何ができるのか、何の役に立つのか、何故習得する必要があるのかを意識するだけで、学習効率がかなり良くなります。
私が以前に塾講師をしていた時は学ぶ意味をなるべく話すようにしていました。学校の教育では知識を詰め込むことにシフトしているため、何故その知識が必要なのかって話がかなり少なくモチベーションが上がらない問題があります。
学校教育のように必修の場合は仕方ありませんが、趣味や新しいスキルとして覚える場合は選択ができます。自分が何故それが必要なのかをよく考え、もし全く必要ではないと思うのであれば、あえてそれを切り捨てることも大事です。きっと、もっと優先度の高いものがあるはずです。
正しい理論を知る重要性は語るまでもありませんね!
例えば、カードマジックの技法でティルトというものがあります、比較的有名なのでマジシャンはほぼ全員が知っていると思いますし、名称を知らないだけで一部の非マジシャンも知っている可能性があるくらいです。デプス・イリュージョンとも呼ばれます。
これ一時期動画で出回ったのかは分かりませんが、間違ったやり方が広まっている気がしています。本来は非常に錯覚が強く、原理を知っていてもそう見えてしまうくらい優れた技法であるのですが…「動画サイトで覚えました」とか「目コピしました」と言ってる人たちの多くが錯覚の弱い劣化コピーを行っているのをよく見ます。
個人的に目コピ(実演を見ただけで真似する)自体を悪いとは全く思いませんが、根底にある原理や思想をコピーできていなければ全く意味がないと考えています。だって、コピーできてないじゃん!
劣化コピーをするくらいならしっかりとした解説を見るべきです。これは持論と言うよりは当然の結論ですね…
現在は情報インフラの発達で、情報へのアクセスが良くなった反面、同時に質の悪い情報(下手な種明かしや中途半端な考え、根拠の薄い理論等)も一緒に大量に目にするようになり、本質から目を逸らされやすい状況であるように感じています。そして知識が全くない状態で最初に質の悪い情報を目にすると、その後の学習が大きく阻害される可能性があります。
もちろん情報は上手く扱えば、SHIN LIMの様にYouTubeでマジックを覚え、7年程度でFISMチャンピオンになる人もいるかも知れませんが、そんなのは例外です。それこそ自分で「自分の適した学習法を自然に実行できる人」、つまり私の考える天才ということです。(実際にFISM優勝者で「YouTubuでマジック覚えました」って人が何人るのかは知りません。意外といたりして?)
特定の分野を学習する場合、最初に質の良い教材や手本を多く集めるべきです。これはマジックに限らず、どの分野にも言えることですし、凡人だけでなく才能のある人もより能力を伸ばすためには大事なことだと考えています。
ありきたりな表現ですが、「基礎は大事」ってやつです。
アウトプットを前提とすること
アウトプットを前提としたほうが習得が早くなります。まぁ…マジックは基本的に人に見せるモノですし、そこまで気にすることではないかも知れません。
これはどちらかというと、何かの動作を練習するときではなく、誰かに何かを教わったときに意識する部分です。レクチャーなどでは受動的に聞いたままでいるとすぐ忘れます(^ρ^)
覚えたことを忘れないためには復習が効果的ですが、この時にアウトプットを意識するとより効果が高まります。
48時間以内にアウトプットをすると習得が早くなる
これはよく言われていることで、何かを学習したら48時間以内に実際にやってみるか、情報であれば整理して書き出すと学習の効率が良くなります。
私がブログを書いている理由の一つでもあります。新しいレクチャーを見たら、終わってから内容をざっと書き出すようにしています。それをブログ記事にするかは別として、とりあえず書いています。
メモについて
DVDや本などで何回でも見れる場合、1回目は特にメモを取る必要はないと私は考えています。1回目は内容に集中して、終わってから振り返って何も見ずに書き出したほうが記憶の定着率が良いと言われています。(トニー・ブザンの著書に書いてあったかな?)
メモを取りながら聞くとリソースが割かれるので、内容の理解度が落ちます。そのため、メモをとるなら2回目以降に見る時をおすすめします。
集中と休息
初めて学習するものに関しては、集中して挑むべきです。これまた上に少し書いていますが、メモは集中力を落とすので、可能であれば最初は見聞きすることに集中した方が良いです。
一日に集中して学べるのは4時間まで
一流のヴァイオリニストを排出している音楽学校によると、特に優秀とされる生徒の共通点として「1日に4時間以上練習しない」というのがあるそうです。
これに関しては、優秀だから4時間以内で済んでいる可能性もありますが、おそらく4時間は人間の1日で集中できる時間の上限だと予想されます。
天才でも連続で40分が限界
これも有名な話で、学校の授業が60分以内を1コマをしている(90分なら間に少し休憩が入る)ことが多い理由でもあります。
ただ、天才と呼ばれる人の上限が40分であるため、我々のような凡人はそれよりも短い時間しか集中することはできません。つまり授業が45分だとして、5分以上は集中できていない時間があるということです!経験はありませんか?私はよくあります(^ρ^)
休息は大事
アタリマエのことですが、頭も筋肉も休息時に成長します(ちょっと語弊のある言い回しですが…)。
休息の時間を多く取ると定着率が良くなるという研究結果があるので、1時間〜数時間を間に挟んだ方が良いという考え方があります。
また、休憩時間が長すぎると再度集中するのが難しいので、40分継続したら20分以下の休憩を取る形にしたほうが効率的だとも言われています。
継続してやりたい場合は集中が途切れない短い休憩、定着を優先する場合は長い休息、と使い分ける必要があります。
(要は、集中学習と分散学習で時間の使い方を変えましょうってことです)
また睡眠もかなり大事なので、しっかり寝た方が良いですね!
7時間以下の睡眠は脳の老化を早めるなんて話があったり、8時間以上の睡眠で心疾患のリスクが逆に上がるなんて話もあり、レム・ノンレム睡眠の周期を加味すると7時間半がベストです。多分!
(ノンレム睡眠の周期は個人差があるのできっかり90分ではないですしね…)
とりあえず、7〜8時間の睡眠を目安にすると良いと思います。
素早い動作を行うため
まず正確な動作を覚える
素早い動作は基本的に最適化された動作です。逆に言えば、最適化された動作を覚えれば自然と速度は上がります。
これもやはり目コピでは限界がありますし、目コピで覚えるよりも正しいチュートリアルを見て段階的に練習したほうが効率は良いと言えます。
既にある程度の動きが出来るか、同系統の技術を習得してる人でない限り、見ただけで覚えるのはかなり効率が悪いです。
動きを分割する
正確な動作を覚えるには、動きを分割するのが効率的です。
一連の動作を幾つかのパートに分けて練習し、最終的に接続する形になります。
私はある動作を練習する際は、最初は5分割、次は3分割と、接続部分が変わるように区切ります。こうすることで、パート練習でよくある接続部分の引っ掛かりが少なくなります(多分)。
ゆっくり正確に動かす
正確な動作を覚えたら、次はゆっくり動かします。可能な限りゆっくり動かす訓練法もありますね!
個人的には正確に動かせる範囲で極力ゆっくり動かします。
最初から最後まで淀み無くゆっくり動かし、途中詰まる部分があればやり直すか、更に速度を遅くします。どうしても出来ない場合は、正確な動作が出来ていないので、上のパート練習に戻ります(^ρ^)
そこから徐々に速度を上げることで、素早く動かせるようになってきます。
可能な限り早く動かす
ゆっくり正確に動かすことが出来るようになったら、そのまま速度を上げるのもありですが、極限まで早く動かす訓練を挟みます。
この時は多少正確さは犠牲にしますが、終わる前には必ず正確に行える速度で動かす必要があります。徐々に速度を落として、どのくらいの速さなら正確に動かせるかを把握することも大事です。
早く動かす練習をしなければ、早く動きません。早く動かす意識を持つことが大事です。
また、正しい動作も、正しく動かそうとしなければ、正しく動くことはないので意識することが大事です。まずは正確に行えることを第一として、速度はそれから身につけるべきと言えます。
筋肉は一日してならず
長くなってきたので、以前の投稿を参照してください…
新しい動作を覚える際に、筋肉トレーニングが重要だというのが私の持論です。筋力アップもそうですが、効率化のためにも必要だと考えています。
ちなみに、筋肉量が同じでも訓練されていないと最大出力が違ったりするので、トレニーニングやコントロールの訓練は大事です。
まとめ
「基礎は大事!」ってのがすべてのことに言えると思います。学習する際は、特に基礎の本質や意義を捉えることが大事ですし、動作に関しても動かし方をよく知る必要があります。また筋肉は身体を動かす基礎です(若干こじつけ感が…)。
対人技法の練習法とコツなども入れようかと思いましたが、ちょっと長くなりすぎたので別の機会にします(あくまで予定)。
ちなみに、今回の内容はあくまで私の持論と経験によるものであり、効果を保証するものではありません。一応いくつかの情報に関しては割とちゃんとした研究結果によるものだったと思いますが、正直いつどこで読んだか思い出せないのでソース不明の未確認情報と大差ないです!(ぉぃ)
また、個人差があるため、その人にとってより効率の良いアプローチが存在する可能性も十分あります。あくまで参考程度ですね…
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