ルーティンの作り方?

投稿ネタがない…と知人に相談した所、「ルーティンの作り方」と言われました。

たしかに、これは人によって様々なはずですし、私も興味があるのでいろいろな人に聞いてみたいと思っています。

ちなみに、ここで言うルーティンはアクトとほぼ同義です。というのも、私のやる現象は「演技(アクト)」では無いなと思っているからです。

超能力風の現象、読心術や予言、いわゆるメンタルマジック或いはメンタリズムと呼ばれるものは、アクトというほど連続性がありません(私だけかも知れませんが)。演出はあっても流れは決まっておらず、その時の状況にあったルーティンを選択して来るというイメージです。

もちろん、全体的なテーマはあるので、今回の内容はルーティンの作り方というよりは、ルーティンの決め方ってのが近いです。

ルーティンの作り方

ということで、自分の作り方をざっくりと話してみましょう。

ゼロから考えることは無く、以下の要素を考えた結果、自然とやることが決まるケースが多いです。

最近あったラジオの仕事が例として使いやすいので、まずはそちらを紹介します。

クライアントの意向

最優先事項です!!!(^ρ^)

クライアントがいる場合オファーがあった際に何らかの要求があるはずなので、その要求を満たすルーティンをメインに置いて、後は好みやバランスを考えて決めています。

「金庫の暗証番号を当てて欲しい」

Time,Place,Occasion

TPOってなんだっけ?と思ったので、略さずに書いてみました。

時間、場所、場合の3つですね。

ラジオだと…

  • 時間:午後9時〜10時過ぎで、途中の約1時間
  • 場所:収録スタジオ、椅子に座っているが、テーブルに物はあまり置けない環境
  • 場合:映像なしのラジオ、パーソナリティーは2人

これに上述のクライアントの意向「金庫の暗証番号を当てる」を踏まえると…

クロースアップ、番号を当てる=読心術系、ビジュアル的なものは排除、この3つの要素が決まります。

メイン以外の決め方

メインの要素から派生させ、持ち時間と相談して決めていきます。

ラジオでは、メインの現象から、3つの要素が決まったので、ここから少し変化をさせていきます。

暗証番号を当てる

これがメインの現象で、読心術で数字を当てるというコンセプトが見えてきます。数字と読心術。

ここからの派生で好感度を当てるという物をやりました。

好感度を当てる

メインの派生から最初に決まった現象により、今度はこの好感度に関係する現象を最後にやることが決まりました。

深層心理を探る

好感度は考えて決めてもらったので、今度は何も考えない場合どうなるのか、というコンセプトで現象を作りました。

スタッフの意向もあり、軽いドッキリ要素も含まれていたんですけどね…

サイコロジカルフォースを使うので、失敗した場合の展開も一緒に考えています。めったに失敗しませんし、本番でも成功させていますが…

食べたい物を当てる

この時点で3つの現象がありましたが、時間的に持たないということで、間に読心術系を1つ挟むことになりました。

これもクライアントの...(ry

要素的にトリック感をかなり強めに出しました。打ち合わせ時に聞かされた席順と違ったので、非常にやりにくかったです(^ρ^)

全体的なテーマの統一

4つの現象が決まり、それぞれが読心術に収まる演出になっています。

もちろん4つともやり方は変えていますし、サイコロジカルフォースなどもやっていますが、それぞれ関連性があります。

読心術の一つとして、私の場合は「表情を読む」というコンセプトにしています。これには色々と理由があるのですが、それについては別の機会にでも…(そもそも表情から読めないってのが現代の研究による結論で、地味に嘘をついているという設定にしたいって理由などがあります)

NGの排除

ラジオに限らず、毎回NGがあります。主催者の都合など色々あるので、この確認は重要です。

意外かもしれませんが、何かを禁止されたほうが良いアイディアが浮かぶことも珍しくありませんし、制約は必ずしも悪いとは言えません。

ラジオでは、好感度当てをやりましたが、これは本来別のモノを当てるルーティンでした。内容的に今回は相応しくない、とスタッフの方から提案があったため、色々案を出し合った結果、好感度を当てるルーティンを新しく作ることになりました。

これに伴いラストのちょっとしたオチが決まったので、この制限は新しいルーティンを考える原動力になったと言えます。

スタッフの協力

一人で考えると、どうしても偏ります。どんなに客観的に自分のことを見れると思っていても、実際には得意不得意で偏りが出てきます。そのため、第3者の意見は重要です。

ラジオでは、事前に入念な打ち合わせをして現象を決めました。正直自分一人では思い浮かばなかったアイディアや演出がありましたし、私がやりやすいように台本や当日の段取りなどを調整してもらえたのはかなり助かりました。

はっきり言ってこれがなければ、メインである金庫開けが成立しないくらい綱渡りなことをする羽目になっていたと思います。

まとめ

ラジオの話に特化してしまったので、あらためてルーティンを決める方法をまとめます。

テーマを決める

クライアントの意向で決まることもありますし、自由にやって良い場合は自分の一番やりたいことから決めます。

条件を考える

TPOやNGによって、現象をブラッシュアップしていきいます。

特に実演をする場所についての情報は大事で、空間の大きさや持ち込めるものでかなり制限がかかる場合があります。

メインの要素を再構築してサブを作る

メインにやるルーティンが決まったら、その要素を抽象化するか分解します。

抽象化されたものは再度別の形に具現化することで、分解されたものは再構築することで関連した現象を導き出します。

カードマジックでメインにアンビシャスカードをやりたい場合は、アンビシャスカードを構成する要素から考えます。

アンビシャスカードは抽象化するとカードの移動現象となり、その要素は更に「見えない移動」「ミスディレクション」「テクニック」などが含まれます(人によっては瞬間移動や時間の巻き戻し現象という要素を考えるかも知れません)。

ここから、見えない移動やミスディレクションをテーマに別の現象(カード・トゥ・ポケット、カード・アンダー・ザ・ボックスとか?)を構築すれば、1つのテーマとして演じることが出来ます。

 

もちろん、ミスディレクションを大きなテーマにして、カードやってカップアンドボールやって、それからコインをやるのも全然ありです。個人的にはもう少し絞った方がやりやすいとは思っていますが、その辺は各人の個性を優先すべきかと。

凄く当たり前なことを書いた気がしますが、とりあえずこんな感じでルーティンを作っています。

ストーリーや見立てなどマジック特有の謎設定(リセットボタン云々とか)を持ち出すのが苦手なので、個人的に負担の少ないメンタル系にハマったというのもあります。

苦手なのでストーリー仕立てのマジックはやりませんし、ルーティンの組み方もちょっと分からないですねぇ…そういうの得意な人からも話を聞いてみたいところです(^ρ^)

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