私が何故スライトを避けているのか?
以前に見たことがあるような気がするタイトルですが、今回は私がスライトを避けている理由についてです。
なお、似たタイトルの投稿はこちちらです!ツッキーこと月ノ風氏が書いています↓
スライハンドを避けている理由
タイトルでは省略して「スライト」と書いていますが、スライハンドのことです。
そしてここで言うスライハンド (sleight of hand)は、主に手先の技術を使った手品のことです。sleightは早業や手練って意味ですね。本来はスライト・オブ・ハンドなわけですが、何故かスライハンドとパソコン的な省略のされ方をしています。理由は知りません。呼びやすいから?
なお、ここではクロースアップでのスライハンドを主に取り上げています。
そもそもマジックじゃないから
言葉の意味的にも、スライトは早業であってマジックではないと考えています。どちらかというとジャグリングみたいな印象があります。
うちの寄稿者である月ノ風は以下のように言ってます。
さて、スライトを避ける理由として、「大抵のスライト派マジシャン(クロースアップ)のマジックはつまらない」っていうのがあります。
……うん、別に敵を作りたいとかじゃないんですけどね。
前後を切り取っているのでやや恣意的な感じになっているので、できれば全文読んでいただきたいです。そして、私の主張ともかなりかぶっているので、この辺は省略しても良いかな…と思っています(^ρ^)
改めて、避ける理由の1つはシンプルに「不思議じゃないから」です。
正確に言うのであれば、「不思議に見せようと思うと非常に効率が悪い」です。純粋なスライハンドで現象を起こす場合、現象と動きが必ず連動しているため、違和感があると即「何かしたな…?」と思われてしまいます。実際にどんな動作をしていたのか、何をしていたのかが見えた見えなかった関わらずです。
違和感は不思議さを大きく損ないますし、それを極力消すために日々練習を重ねるわけですが、それで得られる最大のメリットは「即興で困らない」くらいだと思っています。そして、即興性が必要なのは場当たり的に行われるクロースアップでの環境であって、パーラーマジックやショー形式をメインにやる人であれば、最低限の技術があればなんとかなってしまいます。
もちろんスライト力はあるに越したことはないのものの、カジュアルな場で一切マジックをしない人であれば出来なくても困りません。
以前私がイギリスで会ったマジシャンは、ステージマジックが専門だそうで、バーで知人相手にやっていたクロースアップマジックに関しては、正直その辺の中学生の方がよっぽど上手いと思うレベルでした。それでも、ステージに立って稼ぐことが出来ているわけで、スライトよりももっと大事なものがあると実感した出来事の1つです。
スライハンドのメリットは「即興性が高い」以外だと、マジシャン相手にやる場合に受けが良いってのもありますが、やはりこれも普段演じる環境的な問題であって、必須ではありません。
スライハンドはクロースアップで場当たり的な状況でやる機会が多い人か、そうでなければ、趣味として自分を高めたいと感じている人がやる一種の自己満足です。ちなみに、私はこの2つのタイプどちらにも当てはまります(^ρ^)
出演時に避けている理由
そもそも今回の投稿で「スライハンドを避けている話をする」と言ったら、知人友人からは「ゴリゴリのスライト系だよ!どの辺が避けているの!?」と言われる始末です。なので、いきなりですが、この辺で主張を捻じ曲げます…
仕事でやる時はスライハンドを避けています!
この辺が妥当な感じがします。まぁ…メンタルエフェクトがメインで、必然的にスライハンドの要素が少ないってだけかも知れませんが…明確に避けている理由が幾つかあります。
まず、上述した通り「マジックではないから」と考えているのがあります。今年からカードマジックを避けろとコンサルタントに言われたこともあり、お金が発生する時は基本的にカードマジックはしていません。出演前後の空き時間で数名相手にちろっとやる時はカードを使いますが、こんな場面でスライハンドは便利だなと感じています(^ρ^)
この辺から、月ノ風氏と主張が違ってきますね。差異と言うよりは、追加項目って感じですが…
リスクが高い
技量によってマジックが見破られるリスクではなく、演じられなくなるリスクです。
手先の技術は一度身につけてしまえば大体の環境において再現できますが、コンディションが大幅に変わった場合安定した演技をすることが出来ない可能性があります。
身体の調子
コンディションと言っても、借りてきたカードを使う程度だったら問題になりません。そういった外的要因ではなく、演者本人に内在されている要因がリスクとなります。これはマジシャンに限らずパフォーマー、芸能人など自分自身を商材としている人全般に言えることですが、怪我や病気のリスクがあります。
身体が資本と言われるように、スライハンドを中心として演じる人は指先に常に注意を払う必要があります。特にそれで稼ぐ人は。
例えば声優の方は声が出なくならないように常にケアをしていますよね?私が知っている人はほぼほぼマスクをして過ごしていますし、人混みを避けたり、食べ物や生活に気をつけている人がほとんどです(中には声帯がかなり強く、特にケアしてないって人もいますが…レアケースです)
いくらスライハンドが即興的とは言え、ある程度のセリフや観客とのコミュニケーションを取るために声を出します。つまり、喉と手を日頃からケアしておく必要があるわけです。仕事でやる人、その人のプロ意識によりますが、非常に注意をしているかと思います。
病気になっても、怪我をしても出演ができなくなりますし、パフォーマーの殆どは固定給ではないため「休み=収入減」となり、貯金がない場合いきなり生活が苦しくなります(^ρ^)
そして、人前に立つ仕事の人は、風邪気味であることすら許されない状況があります。某ブランドの店員は少し咳が連続で続いただけで、接客を外れてそのままその日や休みになっていましたが、それくらい人前に立つ仕事、サービス業はデリケートなものだと私は考えています。
これに加えて、手の怪我を防ぐために色々な制限がつきます。刃物をあまり使わないとかバイクに乗らない等ですね。知人のピアニストなんかは、小さい頃にフォークより重いものを持たせてもらえず、ナイフも使わせてもらえなかったという話も聞きました…
また、手の綺麗さにも気をつけている人だとミカンの皮を素手で剥かないとか、もう日常生活に支障をきたすレベルです。
ただ、マジシャンでそこまで気をつけている人はどれだけいるのかって話になりますが、少なくとも私はそこまでの覚悟を持てないのでスライハンドをメインに据えようとは思いません。
未だかつて手が動かなくなったのが人生で1度きりとは言えです。
趣味のため
理由は上のリスクとほぼ同じです。ここ数日、ニンテンドースイッチの『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』をかなりやりこんで、左手首が若干やられています(クソ)。
それ以外でもここ最近は環境がなくてやっていませんが、テニスと合気道はそのうち再開したいと思っていますし、海外にいた頃はこの2つに加えてゴルフもかなりやっていたので、手のひらのコンディションがころころ変わっていました。
学校帰りにクラスメイトとテニスをして、その後に合気道に行き、夜な夜な知人が経営しているシミュレーションゴルフのスタジオで打って、その後にダーツを腕がだるくなるまでするのがセットでした。この時期にレストラン・バーでホッピングをしていたわけです。
感覚が日によってかなり違うのでスライハンドをメインにはやれません!\(^o^)/
まとめ
スライハンドを避けている理由
- マジックではなくジャグリングっぽいから
- 不思議さを出すための労力が高すぎるから
- 演じられなくなるリスクがあるから
私の場合、最悪声さえ出れば催眠ができるのでかなり気楽ですし、腕が片方使えなくても出来るメンタリズム系の演目も用意しているため、ちょっとやそっとの怪我ならパフォーマンスを継続することができます。
多少スライトが必要な部分もありますが、精密な動きよりもタイミングが重視されるものだったり、現象にダイレクトに関わらない部分で使うためそこまでシビアではありません(^ρ^)
シークレットムーブを誰も観てないタイミングでやれば、完全に違和感を消せますしね!(雑)
結局の所、スライハンドは出来るに越したことはありませんが、使えない状況のためのバックアップも用意しましょうってありきたりな話を長々とした感じです(ぉぃ)
コメント
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。